一般的なコンタクトレンズとは異なり、寝ている間に特殊な形状をしたオルソケラトロジーレンズを装用し、角膜の形を変えることで日中、裸眼で生活する事が出来る近視矯正方法です。レーシック手術とは異なり、その矯正効果は可逆的です。
当院でオルソケラトロジーに使用するレンズは、「ブレスオーコレクト」です。
「ブレスオーコレクト」は、夜間装用として厚生労働省に製造販売承認を受けた、日本人の角膜に合うように特別にデザインされたレンズです。角膜に必要な酸素を取り入れる量が、現在承認を受けているオルソケラトロジーレンズの中で最も高く、睡眠中も角膜へ十分な酸素が供給出来ます。
・メガネやコンタクトレンズなしで生活することが出来ます。
・裸眼で生活したいけど外科的手術(レーシック等)には抵抗がある方に向いています。外科的手術と違い、治療を止めれば 角膜は元に戻ります。
・取扱いはハードコンタクトレンズとほぼ同じです。異なるのは寝ている間にレンズをつける事です。
・治療は中等度までの近視が対象です(適応検査で判断致します)。
・暗いところや夜間では瞳が開くので、矯正されていない部分の角膜の影響により、光がにじむ方もいます。
・十分な睡眠時間が必要です(寝ている間に矯正するので最低でも6時間以上の睡眠時間が必要)。睡眠時間が短いと矯正する力が弱まります。
・レンズ装用の異物感や効果が安定するまでに数日〜数週間かかります(その間は車やバイク等の運転は控えて下さい)。
・従来の昼間装用のハードコンタクトレンズと同じ合併症が起こる可能性があります。
・角膜の炎症、結膜炎、充血、目ヤニ、痛み、角膜新生血管、感染症、色素沈着、角膜へのレンズの固着、レンズのずれ、角膜浮腫、乱視や光のにじみなど。
・これらの合併症が起こらないように、きちんと定期検査を受けることが大切です。
Q:レンズの寿命は?
A:通常の高酸素透過性ハードコンタクトレンズと同じくらいと考えて下さい。通常およそ2年で交換する必要があります。ただし、レンズ寿命は個人差が大きく、より短期間で交換を要する場合もあります。
Q:レンズは左右同じですか?
A:眼の状態が同じであれば左右は同じレンズになりますが、違う場合はレンズも左右で違うものになります。万一、レンズの左右が分からなくなってしまっても、レンズにはデータが刻印されているので、クリニックにて判別する事が可能です。
Q:オルソケラトロジー治療はどの病院でも受けられますか?
A:通常のコンタクトレンズとは異なり、講習を受けた眼科専門医の医療機関でなければ治療を受けることはできません。
Q:効果があるのは近視だけですか?
A:オルソケラトロジーによる矯正効果の中心は近視ですが、軽度の乱視にも矯正効果があります。ただ残念ながら遠視は矯正する事ができません。
Q:途中でレンズの装用をやめたらどうなりますか?
A:使用期間や近視度数によって個人差がありますが、一般的に1か月程度で角膜の形状は元通りになり、視力も元に戻ります。ただし角膜の形状が元通りになるまでは、以前使用していたメガネやコンタクトレンズを装用しての視力は安定しません。
Q:対象年齢は?
A:オルソケラトロジーには近視の進行を抑制する効果があると一部で言われており、諸外国では大人だけでなく子供にも行われております。日本では年齢に関する適応の変更が検討される可能性はあるものの、現時点の日本眼科学会オルソケラトロジーガイドラインにおける適応年齢は、20才以上となっています。当院においても現在のところ適応年齢は20才以上とさせて頂きます(20才未満の方へのオルソケラトロジーレンズ処方は準備検討中です)。
1) 電話予約
オルソケラトロジー検査は予約制となります。必ず電話でのご予約をお願い致します。診察日は火曜日と木曜日の午後に限らせて頂きます。また2〜3時間程、時間がかかる検査となりますのでご理解の程、よろしくお願いします。
2)初回検査
・オルソケラトロジー治療が出来るかどうかを判断する適正検査ならびに説明をします。
・正確な目のデータを測るために、ハードコンタクトレンズを使用されている方は、初回検査前の一定期間(約1〜2週間)ハードコンタクトレンズを外して、角膜の形を本来の状態に戻す必要があります。
・初回検査日に、トライアルレンズをお貸し出し致します(有料)。
3)製品レンズのお渡し(後日)
レンズのお渡しまで日数がかかりますので、製品レンズは後日お渡しすることになります。それまではトライアルレンズをご使用頂き、問題がなければ製品レンズをお渡しし、本治療開始となります。
4)定期検査
・1週間後、2週間後、1か月後、3か月後、6か月後、以降は3か月毎。
・定期検査は、目の検査、レンズの検査、レンズの取扱方法の確認など、レンズを快適に装用していただくためには欠かせない検査です。
・どんなに調子が良くても、気づかないうちに目やレンズに負担をかけていることがありますので、医師に指示された定期検査は必ず受診してください。
健康保険適用外のため、検査・治療費は全額自費診療扱いとなります。
両眼で230,000円(税込み、6か月目までの定期検査代を含む)。詳細は下記の通り。
[初回検査日]
・治療適応があり、トライアルレンズを使用しての仮治療を開始する場合
⇒ 30,000円(トライアルレンズとケア用品一式の貸し出し料金含む)
・近視の度数や眼の状態等により治療が非適応と判断された場合、治療の適応はあるがレンズの装用感等の問題で治療が困難な場合
⇒ 5,000円
[製品レンズお渡し日(トライアルレンズ回収日)]
・初回検査日にお貸し出ししたトライアルレンズが問題なく使用でき、製品レンズでの本治療を開始する場合
⇒ 200,000円
・初回検査日にお貸し出ししたトライアルレンズを使用して治療の効果がない場合、トラブルが発生した場合、その他治療継続意思のない場合
⇒ 20,000円をご返金いたします(トライアルレンズとケア用品一式は返却して頂きます)。
[定期検査日]
・6か月目までの定期検査代は原則無料となります。
ただし、途中で合併症が生じた場合、別途治療費が必要になることがあります。
〒335-0021
埼玉県戸田市新曽2220-1
北戸田ファーストゲートタワー2F
TEL 048-229-3132